技術資料

The Perfect Oilless SGO

摩擦熱

単位時間と単位面積あたりに発生する摩擦熱量Qは、以下の通りです。

Q = μ·P·V/J (kcal/min)

J : 単位運動あたりの摩擦熱量(≒427kgf-m/kcal)
μ : 摩擦係数
P : 面圧(kgf/cm2)
V : 運動速度(m/min)

摩擦熱の発生は、面圧よりも速度が重要な要因として作用するため、同じPV値内でも、速度が速い方の潤滑に特に注意し、軸とベアリングが燃えてくっつく焼着現象を防ぐ必要があります。

相対面(軸)に関して

区分 軸の材質 硬さ 研磨度
一般用 SM35C以上の一般構造用の鋼 異物の混入がある時は硬度の高い材質の使用を推奨
ロックウェル"C" 35以上
3~12μ
高温用 SUH、SUSの耐食性鋼、またはクロムめっき
腐食性用 クロムめっき
  • 100˚C以上の高温で使用時は、熱膨張量分、軸をさらに削ってください。
    熱膨張量 = 軸熱膨張量係数(α) x 軸径(d) x (雰囲気温度-室温)
    例) #500SPの α : 2.2 x 10-5/˚C
  • 海水中、薬液中では2~3種のクロムめっきが理想的です。
  • 高圧、微動条件では軸の窒化処理が効果的です。

角の面取り

オイルレスベアリングの両端は、応力集中を防ぐために角の面取りを推奨します。

内径区分 内外径面取り基準
80以下 0.5C
80 ~ 200 1.0C
200~ 300 1.5C
300以下 2.0C

ベアリングの適正厚さ計算式

標準的なベアリングの厚さは次の公式で計算します。

T=(0.05~0.07)d + (2 ~ 5mm)